大学に合格するために

■弟、妹は大学に合格しやすい?

塾講師仲間で言われていたことに「弟、妹は受験でうまく行きやすい」というのがあります。「兄や姉の受験経験があるので情報がある。弟や妹はその情報を活用できる」というわけです。ちょっと疑わしいな、と思うものの、ふりかえってみると当てはまるケースも多いです。

一方、情報が不足していたせいで能力もやる気もある生徒が大学受験に失敗してしまうケースも少なからずあります。どのように受験すれば一番自分の強みを生かせるのか。それを知っていれば結果が違っていたかもしれないと思うと悔やまれます。

そこで今回は合格するために知っておいて欲しいことをいくつか書いてみました。大学に進学したいな、と漠然と思っている人も参考にしてみてください。

■総合選抜型入試について知るべし

一番知っておいて欲しいことは、入試には総合選抜型入試というものがあるということです。いわゆる推薦入試とか、AO入試と呼ばれていいます。一般入試がほぼ学力だけを問われるのに対して、総合選抜型入試は「学ぶ意欲」「高い目的意識」それを表現する「コミュニケーション能力」が総合的に判断されます。こう書くと「準備が大変そう」とか「面倒くさそう」とか思われそうですが、勉強と部活動を両立させ、みんなとうまくコミュニケーションでき、自分を表現できる生徒にとっては、有利な入試です。決して易しい入試ではありませんが、挑戦する価値はあります。

この総合選抜型入試の枠が、近年どんどん増えてきて各大学の合格者の約3割がこの総合選抜型入試での合格です。国立大学も、私立大学もです。各大学に差はありますが、かなりの数です。

今の大学は「勉強ができる人」は求めますが「勉強だけができる人」を求めていません。ほとんどの大学は将来の日本、さらには世界の人類にとって役に立つ人材を排出することを目的に掲げでいます。部活動に打ち込んで結果を出したり、生徒会を運営して様々な困難を乗り越えたり、意見をすり合わせる経験を持った人物を求めています。部活動で結果を出した生徒は、そのような経験をしていると判断されます。他にも、例えば生徒会長は、リーダーシップを発揮しみんなを引っ張り、それぞれの利害を調整する経験を積んでいると判断されるのです。そのような経験を持った人は総合選抜型入試に向いています。

しかし、コミュニケーション能力がある人は多いですが、「学ぶ意欲」や「高い目的意識」がない人は結構います。そんな人はどうしたらよいでしょうか。

■探究活動、課外活動で経験を積むべし

探究活動や、ボランティア活動で地域の方と触れ合うことは、知識や勉強がどのように役に立つのかが分かる場面です。勉強は必ずしも「役に立つこと」を目的とはしていませんが、自分の知識が役に立つと、もっと勉強したい!という意欲が湧いてきます。大人や子供、様々な年代の多様な考えを持った人の中で、自分の考えを伝えるのは骨が折れますが、気付かされることも多いものです。また、自分がどういう人物なのかを知るきっかけにもなります。どの方面が得意で社会に貢献できるのかを考える切っ掛けになります。

私もたまにそういう会に参加していますが、新しい自分の可能性を発見できるような気がします。そしてなにより楽しいです。自分が誰かの役に立っている感覚はやる気に直結するような気がします。塾でも子どもたちにそういう感覚を感じて欲しいので、「調査書に書かれないボランティア活動」をやってみようかと思っています。

■オープンキャンパス、大学祭に積極的に行くべし

オープンキャンパスは大学でどのような研究がされているのかを知るとてもいい機会です。自分の興味が刺激されるでしょう。また大学祭も楽しいものです。大学生活は周りから見て華やかです。将来を期待された大学生たちのイキイキした姿を先日息子の入学式で見てきました。高校生、中学生たちにもきっといい影響があるものと思います。どこの大学に行ったいいか分からない、という悩みも少し解消されます。

ここまで、学ぶ意欲、高い目的意識を持つためにどんな事ができるかを書いてみましたが、これらは総合選抜型入試に役に立つだけでなく、今後の進路を決定する際の重要な情報になります。自分がどんなことに興味があって、どんな能力があるのかを知ることになるのです。

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