英語の成績が落ちています。どうしたらいいですか?

質問をしたのは新しく塾に来てくれることになったAさんです。さらに詳しく話を聞いてみました。Aさんは学校の授業にはついていけて、理解もできているようです。英語の先生はおもしろいし、授業も楽しい。しかしテストになるといまいち。60点から70点しかとれていない。学年末に行われた実力テストでは50点以下になってしまった。このままでは受験までにどんどん成績が下がっていってしまうのではないか。

Aさんの英語のテストを見せてもらうと、スペルミスがいくつかあり、問題に対してポイントがずれた回答が目立ちました。空欄もいくつかありました。

英文法が大事

点数が取れない一つ目の原因は文法の力がついていないことだと思われました。テストの設問に対して、ポイントがずれた回答をしているからです。学校では文法の練習をしていないのでしょうか?そんなことはありません。もちろん学校でも文法の授業をしているのです。Aさんは学校の授業では分かるけれど、家で問題集を解くときや、テストのときには大事な文法を忘れてしまうのです。そういう場合は、どうしたら良いのでしょうか。どうしたら文法の知識を忘れないのでしょうか。

文法をシンプルに覚える

塾で教える際に工夫しているのは、大事な文法を覚えやすくシンプルにするということです。例えば、未来形は「be going to 動詞の原形」とか。四文型の動詞は「show 人 物」とか。不定詞は「to +動詞の原形」とか。

塾の生徒たちに「そういうことだったんですか!」と感謝されたことが何度もあります。彼らは英語の問題をどうやってとけばいいのかと悩み、苦しんでいたのです。そして、そんな生徒は文法を習得してしまうと、問題をスラスラ解いていきます。

文法なんか必要ない?

ただし、「文法なんて分からなくても、問題は解けるよ!」という生徒もいます。多くはないですが確かに存在します。そんな生徒にとっては文法は無駄なものです。「主語」とか「動詞」とか「現在分詞」とかを覚えなくてもテストの成績がよいのであれば、彼らには文法はいりません。しかし、英語の成績が良くない生徒が、「文法は分からなくても良い」と思ってしまうのは間違いです。

文法が分かることでスッキリする生徒も確実にいます。英語のテストをなんとなく解いている生徒が、文法を知ることで、解き方が分かるのです。何が間違っていて何が正しいのかを言葉で説明できるようになるのです。結構な数の生徒が文法で救われるのではないかと思っています。私自身も文法を勉強することで救われた一人です。英語がいまいち分からないと思っている人は、文法を勉強してみることをおすすめします。

英語を書く練習が足りていない

Aさんのテストの点が低い2つ目の原因は、書く練習ができていないことだと思いました。テストに書かれている英語が書き慣れている字ではありません。いつも書く練習している生徒はそれなりに書き慣れた字になっていくものです。
Aさんに確かめてみると、英語を読めはするけれど、書くのは苦手のようです。

現在、学校の授業では会話中心の勉強が行われています。話したり、聞いたりの訓練をする場面がたくさんあります。「その時はちゃんと声に出して読み、ついて行っている。しかしテストになると点数がとれない。」そんな生徒は、書く練習をする必要があります。

書く練習とは、具体的いえば教科書を書き写したり、授業でやった例文を書き写したりすることです。暗唱できる英文を書く作業、つまり頭の中にある英語の「音」を「文字」にする作業です。Aさんにはそういう作業が足りていないなと感じました。

Aさんその後

Aさんは教科書の文を書く練習と、単語の練習を自学ノートにやるようにしたそうです。週に3回くらい。その効果は絶大で、まず塾で行われる小テストを解くスピードが目に見えて上がりました。最初は小テストの点数はよくありませんでしたが、どんどん伸びて、塾内トップ3に入るようになりました。

文法の力もついたようです。英語の質問のとき「これは何がポイントなんですか?」と聞くようになりました。「よーく見て。ほら、ここにcanがあるよ・・・。」「あ、てことは、ここに入るのは動詞の原形だ!」というような会話ができるようになりました。問題を適当に解くのではなく、まずポイントを見極めようという姿勢になってきたのです。

もちろん英語の成績はどんどん良くなりました。学校のテストでも毎回ほぼ100点取るようになりました。学校の先生にも褒められて、英語に自信が持てたようです。友達にも英語を教えることができるようになったそうです。

挑戦し、努力の末に達成する。こういう経験が生徒たちを大きく成長させます。Aさんは英語という教科でこの経験をしました。何かを達成した人は、達成したときの幸福感をまた味わいたくて次の目標を見つけて挑戦します。Aさんもきっとそうなっていることでしょう。

達成する喜びを多くの人たちに味わってほしいと思います。

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