勉強が分からなくなったときどうするか

小学、中学、高校と勉強のレベルが少しずつ上がり、難しくなっていきます。どこかで分からなくなるのは当然です。では、分からなくなったときどうしたら良いのでしょうか。

■分からないことを受け入れる

「分からない」というのは本人にとってとてもつらいことだと思います。それまでは普通に理解できていて、特に努力しなくても分かるという状態だった。それが急に分からなくなるのです。あれ、おかしいな、なんで問題が解けないのだろう。周りの友達の様子をうかがうと、みんな出来ている。解けていないのは自分だけだ。どうしよう。

その状態から目をそらしてはいけません。辛いでしょうが、まず分からないことを受け入れること。そして、「分かりたい。」と思うこと。これが第一歩です。

■分からないときどうするか

分かるようになるためにはどうしたら良いのでしょうか。自分なりのやり方を見つける必要があります。まずは教科書を読み直してみる。テストや問題集の解答、解説を読む。それでも分からなければ、誰かに聞いてみます。一番いいのは友達に聞くことだと思います。しかし、友達と勉強のことを話すのは気がひけるかもしれません。勉強のことを話題にできる友達がいるのはとてもありがたいことなのです。友だちがだめなら、親や先生に聞きます。あるいはネットで調べてみます。ネットで質問してみるのもいいでしょう。

■分かるとはどういうことか

分かるためには3つの条件が必要だと考えています。

①言葉や記号の意味を覚えていること。

②問題の解き方が理解できること

③自分で問題を解くことができること

さらに次の条件を満たせればかなり分かっている状態です。

④その解き方に慣れていること

⑤なぜそういう解き方になるのか理解できること

⑥他の知識と関連性が理解できること

ほとんどの生徒は②のところでつまづいています。私が生徒から質問を受けるときは、生徒がどの段階なのかな、と探りながら聞いています。そして、④~⑤のレベルまで持っていきたいなーと考えています。

■問題を細かく分ける

私自身、授業の準備のために予習したり、問題を解いたりしていると分からないことがあります。いや、本当は分からないことだらけです。

分からないとき、問題を細かく分けます。どこまでは分かるのか。どこから先は分かるのか。たとえば、A→B→C→Dという順番で考える問題のとき。AだからBになるのは分かる。CだからDになるのも分かる。でも、BだからCってなぜ言えるの?必ずそうなるって決められるの?という感じで分からなくなります。どうしてもBからCになることに納得がいかない。調べてみるとBからCになる根拠はFという事実のようだ。Fのことは知らなかった。そういう考え方もあるのか。うーん。そういうもんか。

■寝れば分かる

そして、一晩寝てもう一度やってみると分かるようになっています。昨日はあれほど納得が行かなかった問題が「あー、そういうことか。」と少しは納得できるようになっています。二晩寝てから考えると更に分かるようになっています。

「寝ることで脳の中の情報が整理される」といいます。納得できるようになるのはおそらくそのせいでしょう。そして、何回も分からなかったところを確認していくことで、他の知識との関連で分かるようになります。ああ、ということはあそこでやったあれって、これとつながっているのか。というように。特に、数学はそういう関連を発見して感動できる教科だと思います。今でも関連を発見して「すごいなー」と感動することがたびたびあります。

■少しずつ向上する

いきなり分かるようにはなりません。少しずつ少しずつ分かることが増えて、成長していきます。「新しい考え方」を少しずつ手に入れていくのです。今日理解できた考え方が、次の新しい考え方を理解する助けになるのです。そうやって知識や考え方はつながっています。自分のレベルがどんどん上がり、いろんな問題が解けるようになるのです。

難しかった問題も、あとから見れば簡単に思えるようになります。高校生のSくんは中学生の問題を見たときに「あー。この問題、昔は全くわからなかったなー。今見ればすごく簡単ですね、先生。」と言いました。レベルが上った生徒から見れば、昔悩んだ問題が簡単に思えるようになるのです。

少しずつ分かることを増やしていきましょう。

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