受験直前にどうやって勉強したかは、合格、不合格を大きく左右します。受験生が覚えておきたい勉強のコツをご紹介いたします。
■ 何を勉強したらいいか分からない。
高校受験の日がだんだん近づいてきています。気持ちはあせってきて、「なにかやらなきゃ」とは思うのですが「何をどう勉強したらよいのか分からない」という受験生が多くなります。
■ 1冊繰り返し型勉強法
一番効果のある勉強は、簡単な問題集を1冊決めて何度もやることです。うすいものがいいでしょう。「1週間で全部読み切る」「1日に3ページやる」などと決めて、問題を解き、答え合わせをします。そして、分からなかったところは理解し、覚えます。これを繰り替えした回数だけ成績が伸びていきます。理科の暗記分野や、社会はこのような勉強で伸ばせます。英語もこの勉強法でかなり成績を伸ばすことが出来ます。
この勉強法を「1冊繰り返し型勉強法」とします。「1冊繰り返し型勉強法」は、多くの生徒がスムーズに進めることが出来ます。作業が単純なので、楽なのです。時間をかければかけただけ確実に効果が上がります。
■なかなか成績が伸びていかないときは
しかし、「1冊繰り返し型勉強法」では成績が伸びていかない生徒も出てきます。勉強しているのに、成績が伸びない。逆に成績が落ちてしまう。「成績はトップクラスのちょっと手前」という生徒によくあるケースです。
実は「1冊繰り返し型勉強法」だけでは応用力がつかない生徒もいます。暗記することが勉強の中心になってしまい、理解すること、知識を互いに結びつけることがおろそかになってしまうのです。一問一答式の暗記だけで解ける問題は限られています。これは特に数学、理科で言えることです。応用力が試される問題が多数出題されるようになります。そのせいで成績が落ちてしまうのです。
応用力とは、簡単に言うと、「見たことのない問題を、覚えている知識を組合わせて解く力」のことです。「この問題はやったことがない」、というときでも、応用力があれば解くことが出来ます。問題を解くために必要な知識は小学校や中学校ですべて学習しています。それを正しく組合わせる力がないのです。
■どうすれば応用力がつくか
では、応用力をつけるにはどうしたらいいでしょうか。今のところわたしが提案できるのは2つです。
1つ目は、教科書や問題集で覚えた知識を「なぜ」「何のために」「どこにつながるか」を問い直してみることです。「なぜ、時間で割るのか。」とか「何のためにyについて解くのか」など細かいところをいちいち考えていくのです。こういう作業はやるべきことが一定ではなく、頭を使わなければならないので、非常に面倒です。しかし、効果はあります。
「なぜ、何のために?」が分からないと覚えられない生徒もいます。勉強をすすめるのに苦労しますが、そういう生徒は、最初から応用力があるものです。
2つ目は、「難しい問題を1人で考えてみる」ということです。入試問題の難易度の高いものを解きます。このとき、自分なりにいろいろと解くためのアイディアを出していきます。最初は10分だけ自分の力でやってみる。分からなければ、解答を見て自分にどういうアイデアが足りなかったかを調べます。そして教科書やすでにやってある参考書のどこに書いてあるかを確認します。
次に、自分で考える時間を少しずつ延ばしていきます。最終的には20分くらい、ひとつの問題を考えられるようになればいいと思います。
応用問題を考えるときのコツ。それは、「絶対に今まで習った知識を使うはずだ」という気持ちを持って、知っている知識をひたすら「これかな」「こっちかな」と当てはめていくことです。
■知識があたらしく結びつく
難しい問題を考える習慣がつくと、今まで知っていた基礎的な知識が新しく結びついて別の意味を持つ感覚があります。これは、うれしい体験です。こういう体験が出来ることが、次の勉強をすすめていくエネルギーとなります。「ああ、そうか、そういうことだったのか」という言葉になって生徒の口から出てくるときが教える側としてもうれしいときです。
「1冊繰り返し勉強法」と「応用力をつけるための勉強」2つでしっかり勉強し、「行きたい大学に合格する」「行きたい高校に合格する」という喜びを味わって欲しいと思います。半端な勉強で合格してもあまりうれしくありませんが、全力を尽くしてその先に得た「合格」は本当にうれしいものです。受験でしか味わうことの出来ない成功経験をぜひ自分のものにしてください。